どうしても子どもに手を上げてしまう保護者の悲痛な叫びへの対応

どうしても子どもに手を上げてしまう保護者の悲痛な叫びへの対応

保護者は子どもの人生の責任を持たなければいけない、重大な使命を背負って日々育児を行っています。

保育士はシフト制ですし、園児が卒園すればもう保育を施す事もなくなります。

日中は仕事や家事に追われ、家に帰ると子育てに追われて自分の時間など殆ど持てません。

その余裕の無さに加え、子どもは日中保育士や友達に囲まれていても寂しさを感じるものです。

保護者に構って欲しいから、わざと困らせるような行動である『試し行動』をとる場合があります。

しかし、その試し行動を「私の言う事を聞いてくれない」とショックとパニックで捉えてしまい、どうにか言う事を聞かせないといけないと手を上げる保護者が中にはいます。

そして、自覚があり、どうすればその衝動を抑えられるかを尋ねてくる保護者もいるのです。そういった時、保育士はどう対応するべきなのか紹介していきます。

状況によって児童相談所や市役所の福祉課に連絡する

虐待をしてしまうと保護者から打ち明けられて、すぐに児童相談所に通告する事も時には必要です。

保護者が咄嗟に上げた手の当たり所が悪かったり、保護者が手を上げた場所が悪く転落などの可能性も考えられるなどの、命に危険が考えられる場合は保護者の同意で児童相談所や福祉課へと連絡をしましょう。

児童相談所に相談すれば、少しの間子どもと離れ、お互い距離を置いて見直す時間を与えて貰えます。

そして、児童相談所に行ったから必ず施設に子どもを連れて行かれる訳ではありません。

保護者は子どもが連れて行かれるイメージがある為に嫌がりますが、必ず連れて行かれる訳ではないと伝えて安心させましょう。

また、適切な育児が出来る保護者の精神状態、育児環境があると判断されると子どもは戻して貰える為、子どもを預けた上で今度は保護者の精神状態のフォローを行う事が必要となります。

カウンセリングを勧めてみる

児童相談所に通告するまではなくても、子どもを虐待してしまう保護者の精神を和らげる事は大切です。

しかし、一度追い詰められた精神はなかなか素人の保育士や家族に和らげる事は難しいのです。

ここで頼るのが専門家です。精神科・心療内科と聞くと非常にハードルが高く感じてしまいますが、実際はそんな事ありません。

カウンセリングを行い、保護者が自分でも気づいていない深層心理を探り、ストレスの原因を解明してそのストレスをどうやって解消するのか、必要に応じて薬などを処方して気持ちの起伏を抑える事も出来ます。

保護者の気持ちを楽にし、不安を解消する事が虐待を解消する第一歩に繋がります。

保護者が助けを求めてきた場合は、「じゃあ精神科ですね!」と直球ではなく、「まずは不安を聞いてもらう為に、お話が出来るカウンセリングに行ってみてはどうですか?何でも話せますよ」と精神科や心療内科という名前から出さず、カウンセリングで気持ちが楽になる事を強調すればいいと思います。

子ども側の原因を探ってみる

原因となっているのは、保護者の感情の起伏だけではありません。

子ども側に発達障害があり、落ち着きが無かったり異常なこだわりを見せる事が保護者の負担となり、原因の分からないその行為に不安を抱いて虐待に繋がってしまう場合もあります。

保護者は自分の子どもが発達障害を持っていると知ると非常に嫌な気持ちになりますが、原因が分かって安心したという人も居ます。

何故子どもに保護者が手を上げる程に追い詰められる行動を取るのかを調べ、必要に応じて専門の病院で診断をしてもらう事も重要です。

その過程で、正しい接し方や、症状の出方によっては薬で気持ちを落ち着ける方法もあるので、随分保護者の負担も減る筈です。

子どもといる時間を増やしてみる

発達障害など関係なく、保護者に甘えたいが故にめちゃくちゃな行動を取って保護者を追い詰めてしまう子どももいます。

発達障害の可能性が低い場合は、保育士が子どもに対して、何故暴れてしまったのかと理由を聞き、寂しい気持ちや保護者と過ごす時間が少ない事に気付いて保護者へと一緒にいる時間を増やす提言をするのも解決方法です。

実際に、一日子どもは保育園を、保護者は仕事を休んでお出かけをし、二人きりの時間を作った事でぴたっと問題行動がなくなった事もあります。

子どもは非常に繊細で、大人が周りから見るよりも寂しがりやな面を持っています。そういった気持ちに保育士が気付いてあげましょう。

まとめ

子どもを虐待する親をつい責めがちになっていますが、その保護者の背後にも様々な原因はあるのです。

その背後の原因を解決しない限りはストレスも解消されませんし、子どもへ手を上げる行為も止まりません。

自分で止めたいと考えている保護者の気持ちを大切にし、専門機関を頼りながら保育士をサポートし、子育てを保護者が一人で抱えない様な環境作りが求められます。

決して勇気を出して告白して来た保護者を責めてはいけません。

責めると余計に保護者は自分の殻にこもってしまいます。

虐待はその閉鎖の中で生まれるので、保護者との繋がりを切らない様に注意しておきましょう。