他の子どもよりも発達が遅い事を相談された場合の保護者対応

他の子どもよりも発達が遅い事を相談された場合の保護者対応

保護者は自分の子どもの発達が何よりの楽しみでもあり、不安要素でもあります。

我が子が他の子どもよりも発達が遅いと、たとえ個人差があると説明されても不安を抱いてしまうものです。

そんな不安から、保護者はよく保育士へと不安を相談する事があります。

今回はそんな発達が他の子どもよりも遅い事を相談された場合の対応の仕方を紹介していきます。

安易に遅れていると言わない

「先生、うちの子保育園でどうですか?」と保護者に聞かれた場合、まずは当たり障りない内容を答えた後に、何故様子を聞くに至ったのかを尋ねます。

そこで、他の子よりも発達が遅い事を相談された場合、その場ですぐに「あー、そうですね。」とあっさり肯定するのは避けた方がいいです。

保護者は我が子の発達が遅れているかもしれないという事だけで不安な気持ちを抱いており、保育士に相談するだけでもかなりの勇気を振り絞っています。

まずはその不安な気持ちを受け入れて、何故そう感じるようになったのか、家庭での様子を聞き出します。

そして、「保育園でも様子を良く見て、気付いたら声掛けをするようにしますね。

私達も保育園での様子を細かくお伝えしますから、お母さんもご家庭での様子を私達に伝えてくれますか?」と伝えてください。

安易な気持ちで同意し、知識や確信もないのに保護者の不安を煽るのは良くないです。

まずは、「そうかもしれない。」と頭に入れて、子どもの様子を注意深く見ておきましょう。

他の保育士にも子どもの様子を見てもらう

保育士一人が子どもをよく観察しても、限界はありますし、確信はなかなか持てないと思います。

幼児クラスは特に一人~二人担任なので、子どもの様子をよく見る事すら難しいでしょう。

そこで、他の保育士や主任、副園長、園長などに子どもの様子を見てもらい、判断をしてもらうのが良いと思います。

ベテラン保育士であれば、子どもの様々な様子を見てきたので、明らかに発達障害などを持っていそうだと思える際には分かるものです。

家庭で変わった様子がないかを確認する

子どもは非常に精神が不安定で、少しの変化で体調を崩したり、精神に変調をきたしたりします。

たとえば、以下の事が子どもの変調に関係があると考えられています。

  1. 親族同士の喧嘩
  2. 新たな兄弟の誕生
  3. 引っ越しなどの生活環境の変化
  4. お迎えの時間が変わった
  5. 預ける時間が早くなった
  6. 生活リズムが変わってしまった
  7. 親の離婚や再婚
  8. 親が甘やかしすぎて何でもしてあげている

母親が仕事を変えて、朝の預ける時間が早くなったり、お迎えに来る時間が遅くなると、時計を読めない子どもでも、段々と母親といる時間が短いと感じ始めて不安定になってしまいます。

また、母親と父親の喧嘩も大きな原因となります。

怒鳴り声や物を壊す音、子どもは大きな音に敏感なので、かなりの恐怖を感じます。

親同士だけではなく、思春期の兄弟がいる事も原因になります。

他にも、保護者の都合で生活リズムが変わってしまう事も原因で、子どもの行動が一時的に落ち着かなかったり、他の子どもに攻撃的になったり、情緒不安定になったりする事があります。

それが発育に遅れを発生させているのです。

ですから、上記の原因を改善すると自然と治り、就学前には他の子どもと変わらないようになっています。

何でも病気や脳に問題が…と早とちりするのでなく、原因となりうる様々な生活要因を確認していきましょう。

因みに言葉が遅い場合に考えられるのが、親の甘やかし過ぎです。

親が甘やかして何でも子どもが言葉で求める前に察して物を差し出したり、子どもの言葉に重ねて物の名前を言ってしまうとこの状態になります。

保育士がやんわりと、子どもに何でもしてあげたい気持ちをぐっと堪えるように伝えましょう。

発達障害を疑う

上記の生活にも問題がなく、明らかに言葉が出なかったり、異常とも思えるこだわり行動や他人への攻撃的な行動、落ち着きのなさ(癇癪含む)が進級近くまで続く場合はいよいよ発達障害を疑う番です。

はっきりと他の子どもとの個人差が出るのが、2歳の乳児クラスから3歳児の幼児クラスに進級する際です。

幼児クラスになると、言葉が出なかったり異常なこだわり行動が目立つようになります。

そして、コミュニケーションが段々と取れるようになるはずが、なかなか上手に他人と意思疎通が出来ずにトラブルになってしまいます。

突然火が付いたように癇癪を起こすのも特徴です。

上記のような事が続いた場合は、やんわりと、「実は今日、私達が気付いてあげられなくて〇ちゃんが玩具が欲しいのになかなか伝えられずにパニックなってしまったんです。

すみません、私達が気持ちを代弁してあげられれば良かったのに。」と、あくまで保育士が悪いという体で話を進めます。

そうして、「ご家庭ではどんな様子ですか?」とさりげなく聞いて、母親が困っている事を聞き出します。

そして、「ちょっと保育園でも様子を見ますから、ご家庭の様子をまた教えて貰ってもいいですか?」と何度も様子を尋ねるチャンスを作ります。

そして、明らかに保護者が不審に思い始めた時に、初めて専門機関の受診を勧めてください。

まとめ

発達が遅れていても、保護者に簡単に遅れていますねと言うのは、悪戯に不安を煽るだけの行為ですし、実際に発達障害でなかった際にかなりの不快感を保護者にも与えてしまいます。

慎重に子どもの様子を見ながら、何度も保護者と情報交換を行い、他の保育士の目でも確認して貰ってから切り出してください。

保護者の信頼を失わない様に気を付ける事が重要です。